ごあいさつ

ごあいさつ

久慈教授 教授・
国際医療センター核医学科診療部長

 久慈 一英


 私たちは、埼玉医科大学国際医療センターと埼玉医科大学病院で臨床核医学を専門として診療しています。核医学は、放射線医学の中でも放射線同位元素が含まれた放射性医薬品を扱う医学分野であり、生体内での薬物動態や代謝を利用して画像化や治療を行う、とても専門性が高い分野です。東日本大地震後の福島第一原発事故で放射能の負の面が大きく取り上げられましたが、臨床核医学は人類が放射能を利用するようになって以来、放射能を医学的に有効利用することを実践してきた歴史があります。放射性物質の性質によって、診断分野のみならず治療分野に及びます。大きく分けて、診断ではシンチグラフィ、SPECTとPETがあり、さらに核医学治療があります。最近では核医学の診断と治療を一連として行うものをtheranosticsと名付けて実用化されつつあります。もともと、歴史的に日本には核医学を専門とする講座が少なかったのですが、最近PET検査の普及が急速に進んでおり、核医学治療の分野も広がりつつあるため、全てを管理できる高度な経験と知識を備えた核医学専門医が不足しています。当大学は、診療科として首都圏でも数少ない核医学科が独立している大学病院であるため、核医学診療の全分野を専門的に高いレベルで網羅しています。核医学自体は学際分野でもあり、放射線科以外の種々の臨床分野と関係があります。当科では、放射線科専門医の基本分野の上にサブスペシャリティとして核医学専門医を位置づけていますが、多くの臨床科との協力の下で診療を行っています。

photo 国際医療センターはPET/CT装置2台を有し、医用サイクロトロンで種々のPET製剤を製造することができます。核医学は分子画像医学とも呼ばれ、臓器の機能を分子レベルで診断や治療することができます。また国際医療センター、大学病院ともに最新鋭のSPECT/CT装置が導入されており、高精度のSPECT診断を行っています。核医学治療では、甲状腺癌に対するI-131アブレーション治療、去勢抵抗性前立腺癌の骨転移に対するRa-223治療、悪性リンパ腫のY-90ゼヴァリン治療を行っています。
 核医学の臨床研究では、骨シンチグラフィをはじめとした定量SPECT/CTの臨床応用研究、低酸素PET、エストロゲン受容体PETなどを他科と協力して行っており、多くの成果が出ております。臨床研究について非常に恵まれた環境にあるといえます。
 埼玉医科大学国際医療センターと埼玉医科大学病院では、核医学診断と治療に関して、ほぼ全ての領域をカバーしており、臨床研究や新薬臨床試験にも積極的に参加しています。首都圏で核医学を体系的に網羅して学べる大学は少ないのが実状です。また、核医学症例数は2病院計で年間約8,000件と国内随一となっています。当科で学んだ核医学専門家が第一線の専門病院の核医学診療を担うようになってきています。核医学スペシャリストを志す諸君は、是非一緒に新しい核医学の道を切り開きましょう。

 

当科関連病院(※は当科出身者が在籍):

上尾中央総合病院、戸田中央総合病院、埼玉県立がんセンター※、国立病院機構高崎総合医療センター、JCHO埼玉メディカルセンター、東京都立健康長寿医療センター※、国立がんセンター中央病院※、西台クリニック画像診断センター、脳神経疾患研究所附属南東北創薬・サイクロトロン研究センター※、神戸市立医療センター中央市民病院※

 

沿革

2004(平成16)年4月 松田博史教授が埼玉医科大学病院核医学診療科診療部長就任
(診療科として核医学診療科が放射線科から独立)
2007(平成19)年4月 日高市に国際医療センター開設
松田博史教授が国際医療センター核医学科診療科長に就任
2012(平成24)年6月 松田博史教授が退任 久慈一英准教授が国際医療センター核医学科診療科長に就任(2014年10月より診療部長に名称変更)
2013(平成25)年6月 久慈一英准教授が教授就任
2015(平成27)年4月 松成一朗教授が埼玉医科大学病院核医学診療科診療部長就任

 

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